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最終更新日:2024.03.28

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トピックス 2024.01.11

【研究成果】キラルな高圧氷と水の界面にキラル液晶らしき水を発見―水と鏡のミステリアスな関係―

*2024年1月12日に論文掲載日を訂正
修正前:1月10日18時(米国太平洋標準時間)→修正後:1月11日(米国太平洋標準時間)

2024年1月11日
東北大学
北海道大学
東京大学
鳥取大学

発表のポイント

  • キラリティ(注1)を持つ高圧氷III(注2)と水の界面に現れる未知の水にキラル秩序を発見しました。
  • 未知の水がキラリティを持つ液晶(注3)状態を取る可能性を示すダイナミクスを捉えることに成功しました。
  • 未知の水に"homoimmiscible water"という英語名と"同素不混和水"(注4)という日本語名を命名しました。
  • 生命におけるキラリティと水の関係性に新たな視点を提起する成果です。

発表概要

 水は人類を含む生物にとって極めて身近で重要であり、多くの自然現象を支配する奇妙な性質を示す液体でもあります。またキラリティという、右手と左手の関係のような鏡合わせの構造同士が異なる性質は、自然界に普遍的に存在し、生命の起源とも関わる重要な性質です。

 東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、鳥取大学工学部機械物理系学科の灘浩樹教授と東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構の羽馬哲也准教授を中心とする研究グループは、これまでの研究で様々な氷と水との界面にできる通常の水と混ざり合わない低密度および高密度な未知の水や、液晶らしき未知の水を発見しています(文末の過去のプレスリリース参照)。今回、結晶構造にキラリティを持つ高圧氷IIIと水の界面に液晶らしき未知の水が現れる際に生じる波模様にキラリティがあることを発見しました。これにより、氷IIIと水の界面に現れる未知の水は、キラリティを持つ液晶である可能性を世界で初めて示しました。本成果は、水とキラリティが関わる広範な科学領域に分野を問わず貢献します。

 本成果は、物理化学分野の専門誌The Journal of Physical Chemistry Letters に 1月11日(米国太平洋標準時間)付でオンライン掲載されました。


発表詳細

〈研究の背景〉
 水は地球上にあまねく存在し、人類や生物にとって極めて身近で重要な液体であるだけでなく、その性質は、例えば、降雨や大気循環など地球上の様々な自然現象を支配します。そのため、水の性質を理解することは重要です。水は液体として一般的な性質を示すと直感的に考えがちですが、この直感に反して他の液体には無い特異な性質を示すことが知られています。しかし、この特異な物性の起源は未だに明らかとなっていません。特異な物性の解明の鍵となるのが、水の分子間に働く水素結合のネットワークに基づいた液体構造の多様性と考えられています。そのため、水の構造に関する研究が重要視されています。

 一方でキラリティは、右手の形に対する左手の形のような、鏡合わせの関係にある2つの構造が異なる性質を指し、このような性質もまた自然界の様々な階層に普遍的にみられます。例えばアミノ酸の分子構造や水晶の結晶構造などにもキラリティは存在します。そしてキラルな物質の右手型と左手型は同じ化学的な安定性を示すことが知られています。ところが等しい安定性に反して、地球上の生命は右と左の片方の利き手の分子のみで構成されています。この生体におけるキラリティの著しい偏りの起源も未だ明らかとなっておらず、その解明は生命の起源とも関わる重要な課題です。さらに生体は片方の利き手の分子のみで構成されているため、異なる利き手の分子とは異なる相互作用を示すことが知られています。つまり物質のキラリティは生体分子の機能を左右するという点でも、生物にとって極めて重要な性質です。

 ここで、ひとつの疑問が湧きます。「水は様々な構造を示すのならば、水は水自身でキラリティを持つ構造を形成するか?」という素朴な疑問です。意外にもこの疑問に対する明確な答えはまだ得られておらず、これまでになされている水のキラリティに関する実験報告は、キラリティを持つ生体分子に結合した水分子が超分子的にキラリティを示すという知見に留まっています。つまり、水のキラリティに関する実験研究は、生体分子の構造の助けを借りて形成する分子スケールの微視的で局所的な構造形成に関する研究に限定されていました。

 本研究グループは、これまでの研究で、アンビル型高圧発生装置(注5)を用いて、氷や高圧氷と水との界面で、低密度な未知の水と高密度な未知の水、そして、液晶らしき未知の水が、巨視的ともいえる空間スケールで通常の水とは分離してできることを、光学顕微鏡を用いたその場観察で発見していました。

 今回、本研究グループは、結晶構造にキラリティを持つ高圧氷IIIと水の界面にできる未知の水の生成ダイナミクスの詳細を同様に調査することにより、氷IIIと水の界面の未知の水がキラリティを持つ液晶である可能性を示す特徴を捉えることに成功しました。また、本研究を通じ、通常の水から分離する未知の水の総称として、"homoimmiscible water"という英語名と"同素不混和水"という日本語名を命名しました。

〈今回の取り組み〉
 研究グループは、結晶構造にキラリティを持つ高圧氷IIIを研究対象としました。北海道大学低温科学研究所にある低温室内(−20°C)にアンビル型高圧発生装置と観察用の微分干渉顕微鏡(注6)を設置し、水を248 MPa(2448気圧)の低温高圧の条件におきました。これにより、氷IIIの結晶を作り、加圧に伴い成長する氷III結晶と水の界面を顕微鏡でその場観察しました。これまでの本研究グループの研究で同様に氷IIIと水の界面のその場観察を行っていますが、今回の観察では圧力を急速に印加したという点が異なります。

 観察の結果、これまでの研究で発見していた通り、氷IIIと水の界面に同素不混和水の層が生成し、特に今回の観察では同素不混和水の生成過程において、2種の共存するネットワーク状ドメインが入れ子になったような両連続的な波模様が形成することが新たにわかりました(図1A, B)。このような波模様は不混和流体のスピノーダル液―液相分離(注7)が進行する過程で一般的にみられる模様とよく似ています。そこで、スピノーダル液―液相分離を記述する基礎的な理論で予測される波模様の時間発展の特徴と今回観察された波模様の時間発展を比較したところ、両者の間に類似性があることがわかりました。この類似した特徴は、今回観察された同素不混和水にも流動性があることを理論的にも支持します。

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図1. 水/氷III界面における同素不混和水のスピノーダル様の生成ダイナミクスの微分干渉光学顕微鏡その場観察像。
A:加圧により成長する氷III単結晶と波模様を呈しながら界面に形成する同素不混和水。
B:図Aの拡大像。同素不混和水が両連続的な波模様を形成していることがわかる。
C:図Bの2次元高速フーリエ変換像。特定方向に伸長した渦状のパターンが生成されていることがわかる。
D:同素不混和水の模式図。

 一方で、一般的にみられる両連続的な模様の形成とは大きく異なる点も発見しました。それは、両連続的な模様の2次元高速フーリエ変換像(注8)が、ある特定の方向に伸長した異方性を伴う、"渦状"のパターンになるという点です(図1C)。一般的に、等方的な液体のスピノーダル液―液相分離で形成する両連続的な波模様の2次元フーリエ変換像は円環状になります(図2A)。一方で、固体中でのスピノーダル相分離では異方的な両連続的波模様が観察されることもありますが、フーリエ変換像の中心を対称点として一定の方向でペアを成す点が観察されるのみです(図2B)。今回得られたフーリエ変換像はそのどちらにも特徴が合致しない"渦状"のパターンを示しました(図2C)。この"渦状"のパターンは、波の周期が、観察像中心からの方位に依存して滑らかに変化していることを示しています。また、フーリエ変換像のパターンの動径方向の幅や強度は波の周期がどれだけそろっているか、つまり、どれだけ秩序だっているかに依存します。

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図2. スピノーダル相分離でみられる典型的な両連続的模様およびその2次元高速フーリエ変換像と本研究で観察された両連続的模様とその2次元高速フーリエ変換像の比較。
A:等方的な両連続的模様の例とその2次元高速フーリエ変換像。一般的な両連続的模様はどの方位にも同じ周期を示すため、フーリエ変換像は円環状となることがわかる。両連続的模様の画像は、Li et al., Modelling Simul. Mater. Sci. Eng. 20, 075002. (2012) からIOP publishingの許可を得て転載。
B:異方的な両連続的模様の例とその2次元高速フーリエ変換像。画像の横方向には顕著な周期が観察される一方で、縦方向には顕著な周期性はみられない。そのため、フーリエ変換像の横方向にはペアとなるスポットが形成し強度は伸長した分布となるのに対して、縦方向ではスポットおよび伸長がみられない。両連続的模様の画像は、Sánchez-Muñoz et al., Sci. Rep. 6, 20806. (2016) からSpringerNatureの許可を得て一部改変を施し転載。
C:本研究で観察された両連続的模様とその2次元高速フーリエ変換像。図AおよびBで示したフーリエ変換像の特徴とは異なる渦状のパターンが生成されたことがわかる。この特徴は、波の周期が方位に依存して滑らかに変化していることを示している。

 観察された"渦状"のパターンの動径方向の幅と強度から、波の周期だけでなく秩序度も動径方向に依存して滑らかに変化していることを表しています。これらの特徴は、観察像をx-y平面、秩序度をz軸とした空間において、キラリティを持つ代表的な形である"らせん"が形成されることを示しています。このことから、観察された両連続的な波模様には巨視的なキラル秩序が隠されていたということが今回新たにわかりました。

 一般的な水はアキラルな液体であることから、このような同素不混和水のキラル秩序は、氷IIIの結晶構造のキラリティを反映した結果と考えるのが自然です。一方で、本研究グループはこれまでの研究で、同素不混和水の厚みは、空気と氷の界面に形成する疑似液体層(注9)よりも100倍程度も厚い100 nm程と推定しています。キラル結晶表面から100 nmもの長距離に渡ってキラリティを伝達することができる相互作用は弾性相互作用であると考えられます。つまり、今回観察された同素不混和水は、弾性的異方性、流動性、そしてキラリティを兼ね揃えた物質の状態である、キラル液晶である可能性が示唆されることになります。

 以上のように、キラリティに着目して水/氷III界面の同素不混和水のダイナミクスを詳細に調査したことで、本研究グループがこれまでに発見していた低密度および高密度な同素不混和水や液晶らしき同素不混和水といった、同素不混和水の構造多様性に、左右性という新しい自由度が存在することが明らかになり、自然界や生物にとって極めて重要なキラリティと水との間に、ミステリアスな関係がある可能性が出てきました。今後、同素不混和水のキラリティを詳細に調査していくことで、水の特異物性や氷の結晶化過程の謎だけでなく、これまで知られていなかった生命におけるキラリティと水との関わりが明らかになることが期待されます。

〈今後の展開〉
 水の物性は、地球における様々な自然および生命現象を支配します。また、キラリティは、生命の機能や起源とも関わる重要な性質です。本研究成果により、水の隠された性質がまたひとつ明らかとなり、特に、生命を育む水自身が、生命において重要な役割を果たすキラリティを獲得し得ることが明らかとなりました。今後の研究での、"未知の水のキラリティ"の解明は、奇妙な液体である水の物性の起源やその結晶化過程の解明だけでなく、人類がこれまで知ることのなかった、水の生命現象における新たな役割が明らかになる可能性があります。両者自然界にあまねく存在する、水とキラリティの関係解明は、広範な科学分野に分野問わず貢献することが期待されます。


発表者・研究者等情報

東北大学 多元物質科学研究所 光機能材料化学研究分野
助教 新家 寛正

北海道大学 低温科学研究所 宇宙物質科学・低温ナノ物質科学グループ 
教授 木村 勇気

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻/附属先進科学研究機構
准教授 羽馬 哲也

鳥取大学 学術研究院工学系部門 工学部機械物理系学科
教授  灘 浩樹


論文情報

雑誌:The Journal of Physical Chemistry Letters
題名:Chiral Spinodal-Like Ordering of Homoimmiscible Water at Interface between Water and Chiral Ice III
著者:Hiromasa Niinomi*, Tomoya Yamazaki, Hiroki Nada, Tetsuya Hama, Akira Kouchi, Tomoya Oshikiri, Masaru Nakagawa, and Yuki Kimura
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所 助教 新家寛正
DOI:10.1021/acs.jpclett.3c03006


研究助成

本研究は、北海道大学低温科学研究所共同利用・共同研究課題番号18K001、公益財団法人日本科学協会笹川科学研究助成課題番号2021-2001、公益財団法人クリタ水・環境科学振興財団国内研究助成23D002、科研費 学術変革領域研究(A)「光の螺旋性が拓くキラル物質科学の変革」JP22H05138および23H04572の支援を受けて実施されました。


用語説明

注1. キラリティ
鏡合わせの関係にある2つの構造が異なる性質のことを指す。キラリティがあることをキラルといい、キラルな構造の代表例には人間の手の形がある。右手の形を鏡に映すと左手の形になり、これら鏡像体の形は異なるため、手の形にはキラリティがある。一方で、例えば、立方体を鏡に映した構造は立方体であり、立方体の鏡像体同士は同じ構造を示すため、立方体にはキラリティがないことになる。キラリティがないことをアキラルという。人間の手の形の他に、キラリティがある構造の例として、右巻きと左巻きが存在するらせん構造が挙げられる。

注2. 高圧氷III
私たちが普段目にする氷は氷Ihと呼ばれ、六角柱状の水分子の並びを基本構造とした六方晶系という結晶構造に分類される。その一方で、水を加圧することで結晶化する高圧氷も存在する。高圧氷は氷Ihとは結晶構造が異なる。中には0℃以上の温度で結晶化する高圧氷も存在する。本研究で着目した氷IIIは高圧氷の一種で正方晶系という結晶構造に分類される、正方形を底面とした直方体の形を基本格子とした結晶である。さらに、氷IIIを構成する水分子はらせん状に配列されているため、氷IIIの結晶構造にはキラリティがある。

注3. 液晶
結晶と液体の中間にある物質の状態で、ガラスとは異なり緩やかな規則性を持っている状態を指す。すなわち、結晶の持つ周期性や物性の異方性と、液体の持つ流動性を併せ持つ物質の状態である。

注4. 同素不混和水
本研究で命名した、水と氷(高圧氷)の界面においてバルクの水と分離し生成する未知の水の総称。科学用語の"同素体"と"液体不混和"を基にした名称である。同素体とは、グラファイトとダイヤモンドのように、同じ原子で構成されていながらも、原子の並び方の違いによって異なる性質を示す物質群を指す用語である。一方で、液体不混和とは、水と油のように液体同士が混ざり合わない現象を指す用語である。液体不混和は異なる元素で構成される液体同士で一般的にみられるが、水と未知の水は同じ水であるため、同素体の液体不混和と見なすことができる。そのため、未知の水を同素不混和水と命名した。

注5. アンビル型高圧発生装置
2 つの尖頭状に成型された硬質な物質(アンビル)の尖頭部同士を押し当てプレスすることで尖頭部に高圧を発生させる装置である。ガスケットと呼ばれる小さな穴の空いた金属板内部に試料を導入し、ガスケット穴にある試料を1対のアンビルで挟み込みプレスすることで高圧状態を得る。本研究では、アンビル、ガスケット、試料にそれぞれサファイア、銅、水を使用した。

注6. 微分干渉顕微鏡
試料表面の微小な段差を強調し鋭敏に可視化できる顕微鏡である。互いに直交する電場の振動方向を持つ2つの直線偏光を、わずかに位置をずらして微小な段差を持つ試料に照射することで、2つの直線偏光にそれぞれ段差の高い面の情報と段差の低い面の情報を付与し、それらの直線偏光を合成することで像とする。

注7. 液―液相分離
水と油のように液体同士が分離する現象のことである。互いに混ざり合わない液体をある温度以上の高温条件におくと液体同士が均質に混ざり合った状態になる場合があり、その混合液体を冷却していくと、均質な混合液体が液―液相分離を起こす。相分離開始組成や冷却の仕方に依って、その分離過程(ダイナミクス)は大きく分けて2種類あり、"核形成・成長型"と"スピノーダル分解型"の液―液相分離が存在する。"核形成・成長型"は、量の多い液体中に量の少ない液体の液滴が生成し液滴が成長することで相分離が進行するダイナミクスである。その一方で、"スピノーダル分解型"は、両液体成分の空間的・時間的揺らぎの波が時間経過に伴い増幅することで相分離が進行するダイナミクスである。そのため、特にスピノーダル分解型相分離の進行過程では、両連続的模様と呼ばれる、両液体のネットワーク状の領域が入れ子になったような周期的な波模様が観測される。

注8. 高速フーリエ変換
実空間の情報を周波数空間で表す処理のことを指す。例えば、一次元実空間においてある一定間隔の周期的な特徴がある場合、その特徴は一次元周波数空間上においてその周期に対応した座標上に点として現れる。一方で、本研究で撮影された画像のような、二次元実空間において全ての方位に対し等方的な周期的特徴がある場合、その周期的特徴は高速フーリエ変換によって二次元周波数空間上では円環として表現される。周期的特徴を示す例として波が挙げられ、様々な周期や振幅の混在した波のフーリエ変換像は、周期や振幅がそろった波のフーリエ変換像よりも、動径方向の強度分布の線幅やピーク値がそれぞれ大きく、小さくなる。

注9. 疑似液体層
空気/氷Ih界面に生じる氷表面を覆う極薄の水の膜。この水の膜は通常の水より氷Ihに近い構造を持つ水であると予想されている。この水膜は、通常の水と区別するために「疑似液体層」と呼ばれている。


過去のプレスリリース

東北大学2020年8月7日付プレスリリース
『水/高圧氷の界面に ″新しい水″を発見! 水の奇妙な物性の謎に迫る画期的な成果』
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/08/press20200807-01-water.html
東北大学2022年5月12日付プレスリリース
『水/氷の界面に2種目の"未知の水"を発見! 水の異常物性を説明する"2種類の水"仮説の検証に新たな道』
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/05/press20220512-02-water.html
東北大学2023年10月10付けプレスリリース
『水/高圧氷の界面に液晶らしき"未知の水"を発見 ダイナミクスが示唆する未知の水の生成機構と構造の多様性』
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/10/press20231012-01-water.html

―東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 広報室―

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