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新任教員紹介

塚原 伸治(ツカハラ シンジ)

所属 専攻超域文化科学専攻
学科教養学科
部会歴史学部会
職名 准教授
発令年月日 2021年10月 1日

 

略歴 ■最終学歴
筑波大学大学院・人文社会科学研究科
■学位
2013年2月 博士(文学)
■前任職
茨城大学人文社会科学部 准教授

 

担当科目 ■前期課程
民族文化論
■後期課程
日本文化研究II
■大学院
民族社会論I

 

研究活動 ■研究分野
民俗学
■研究業績
1. 『老舗の伝統と〈近代〉―家業経営のエスノグラフィー―』(吉川弘文館、2014年10月)
2. 『「二〇世紀民俗学」を乗り越える―私たちは福田アジオとの討論から何を学ぶか?―』(福田アジオ・菅豊・塚原伸治著、岩田書院、2012年)
3. 「祭礼とメディアの民俗学―「佐原の大祭」における新たなメディアの活用をめぐって―」『モノとメディアの人類学』(藤野陽平、奈良雅史、近藤祉秋編、ナカニシヤ出版、2021年)
4. 「芸能としての祭礼―「佐原の大祭」における美の追求―」『社会人類学年報』46、pp.31-64、2020年
5. “Displaying Mythological Characters: Changes in the Meanings of Decorations in the Sawara Grand Festival in Chiba, Japan.” Journal of Religion in Japan 9(1-3), pp.10-36. 2020
6. 「関係のなかで民俗芸能をとらえ直す―もの、偶然性、意図されなかった結末―」『民俗芸能研究』67、pp.61-82、2019年
7. 「民俗学的伝統論の射程―プロセスとしての伝統を中心に―」『現代民俗学のフィールド』(古家信平編、吉川弘文館、pp.31-48、2018年)
8. 「商店街前夜―買い物空間の創出と商店主たちの連帯―」『江戸ー明治 連続する歴史(別冊 環23)』(浪川健治・古家信平編)、藤原書店、pp.212-224、2018年
9. 「都市に生きる伝統―千葉県佐原の町並みを中心に―」『多文化時代の観光学―フィールドワークからのアプローチ―』(高山陽子編、ミネルヴァ書房、pp.153-168、2017年)
10. 「伝統をつくり、伝統がふるまう―老舗の過去をめぐる実践―」『〈人〉に向きあう民俗学』(門田岳久・室井康成編)、森話社、pp.124.155、2014年

 

採用理由  塚原伸治氏の専門は日本民俗学である。特に日本の都市社会に生きる人々の慣習的実践を多角的に研究し,新機軸を切り開いてきた。研究の柱は主として三つある。その第一は商業的行為や経営戦略に関する研究である。2014年に吉川弘文館より出版された単著『老舗の伝統と〈近代〉−家業経営のエスノグラフィー』は,老舗にとっての伝統という姿を掴みにくいものの拘束性を緻密に検討した独創的な研究である。
 この研究を塚原氏はその後,2008年の金融危機,2011年の東日本大震災を経た地方都市の経済と経営の解明に展開している。第二の柱は商店街の歴史民俗学的研究である。これは,20世紀の日本経済史を街角の慣習というミクロな文脈から明らかにしようとするもので,近く別の単著として刊行される予定となっている。第三に,塚原氏は民俗芸能や祭礼についても長年研究してきており,アメリカ民俗学の研究動向も広く視野に入れつつ,身体の動きへの民俗学的観点から都市の美学というテーマについて論じている。
 塚原氏のこれらの仕事が,専門の日本民俗学のみならず文化人類学の知見も活かしながら広く展開されたものであり,また歴史学的観点からも大変価値ある研究であることは疑いない。

 教育活動に関しては,本務校で「民俗学」や「比較文化論」などを担当しているほか,非常勤講師として「伝統文化論」を受け持つなど,すでに十分な経験を有している。教養学部で多様な関心を有する学生を対象に,高度な専門性を持ちながらも広く訴えかける授業をしてくれるものと期待される。以上のように,あらゆる側面からみて,塚原氏は総合文化研究科の准教授として極めてふさわしい人材であると判断される。

 

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