アフリカ地域研究センター(RCAS)
「アフリカの年」(1960年)から半世紀以上経過したアフリカは、一方で新たな資源開発などに伴いマクロ的には経済成長を続けつつも、他方でその恩恵は限定的にしか社会に還元されない状況が継続している。
コロナ禍の影響を含む経済環境に限らず、ウクライナ戦争を機に世界の分断が明らかになる中で、「グローバル・サウス」とも表される国々の中でもその多くを含むアフリカは21世紀の世界の中で大きな転換点を迎えているといっても良い。さらに、日本の対外政策にとっても最後のフロンティアとして位置づけられ、重要な地域として認識されるに至っている。こうした変革期のアフリカにおける諸課題を人文科学と社会科学を交えた方法で研究することが当研究センターの主たる目的となる。
「人間の安全保障」という新たな研究パラダイムを取り込みながら、現代アフリカにおける社会変容、政治変動、経済のダイナミズムをめぐる理論・実証研究、暴力的な紛争と国家形成に関する研究などのフィールド調査、さらにこれまでの政策の批判的検討などの研究活動を行う形で推進する。また、国内外から研究者や実務者を招いてセミナーやシンポジウムを開催し、研究成果の刊行などを通して、研究の教育や社会への還元、実務との社会・国際連携に努める。