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最終更新日:2017.06.23

教養学部報

第564号 外部公開

コマメシ~駒場飲食店案内

齋藤希史

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駒場で働く人(学ぶのも働くうち)のごはん、コマメシについて語るとなれば、まずは生協食堂(一階カフェテリア若葉・二階ダイニング銀杏)〈1〉から。かつての食堂を知る身にとって、いまの食堂はまさに異次元。明るく開放的、外の芝生で草上の昼食を楽しむ学生、走り回る幼な子。そんな喧噪をよそに二階のテラスでひとり啜る冷やし中華は夏の楽しみ。読書とコーヒーなら隣のイタリアントマトカフェJr.〈2〉。パスタやホットドックなどの軽食もあるし、ケーキをごちそうすることもできる(誰に? 自分に?)。大きな窓から見える矢内原公園の緑も美しい。

とはいえこれらはやはり学食、ゲストをお連れしてとなれば、駒場に籍を置く身として少しは見栄を張りたいのが人情。そこでルヴェソンヴェール&橄欖〈3〉。ダンスホールにも使われていた旧一高同窓会館洋館を改築した建物は雰囲気もよく、一階のルヴェソンヴェールは、昼食時は早めに行かないと席がないほどの盛況ぶり、奥さま方のお喋りに圧倒されながらも、鱸のポワレや仔羊のローストなどを八〇〇円で楽しめるのはたしかに貴重。二階はサービスも料理も正統的、ここいちばん(?)のために憶えておくとよいかも。なお、駒場第二キャンパス(駒Ⅱ)にあるカポ・ペリカーノ〈4〉に散歩がてら出向くのも一興。

充実した定食こそ午後の活力という向きには、キャンパス東側の梅林門から踏切をわたって駒場東大前商店街を右に進めば菱田屋〈5〉がある。昼どきは混んでいて入れないことも多いが、キッチン南海〈6〉でカツカレー、リスブラン〈7〉でパスタランチなど、好みに応じてバックアップもある。さらに東に向きを変え、郵便局を左手に過ぎて行けばインド・ネパール料理ムスカン〈8〉。カレーはやっぱりナンでなければという人に。ライスもあり。郵便局の通りから一本隔てた南にひっそりたたずむ中華井上〈9〉は、昭和の味わいが懐かしい。

通称駒下のこの界隈は、昼も夜も駒場を支えていて、英香〈10〉やさわやか〈11〉はゼミ後の親睦などに定番(英香は昼定食も)、Allegresse Bien Cuite〈12〉 でちょっとした焼菓子を買って午後のおやつ(みしま〈13〉のたこ焼やイル・ビニエ〈14〉のシュークリームも)、間に合わないあれこれを速達で出そうと郵便局に行くだけではもったいない。そうそう、郵便局向いの角屋〈15〉自家製カレーパンも忘れてはいけない。

駒下から駅の西口へと戻っていけば、カレーのLucy〈16〉あり、つけ麺の駒鉄〈17〉あり、老若男女集うマクドナルド〈18〉あり。坂下門横の満留賀〈19〉は、盛りのよさでは誰もが知るところ、一度は大盛りを頼むべしとの声も(一度が限界?)。看板にはPARTⅡとあるけれども出前は真っ赤なポルシェでなくホンダカブ。ちなみに店名は本来「まるか」、由来をたどれば明治三三年に加藤豊蔵氏が芝で創業したマルカ三河屋(このときはうどん屋)にまで遡る。のれん分けを重ねて、現在、満留賀を名乗る店は二〇〇軒を越すという。

満留賀でも駒場教員に遭遇する確率は高いが、さらに西に坂を登ってDora〈20〉に入っても事態は変わらない。人形に囲まれてポークジンジャーを黙々と食べているのはさっきまで教壇にいたあの人。カフェコロラド〈21〉はドトールチェーンの喫茶店。さらに駒場小学校横のLe Ressort〈22〉に立ち寄れば、カロリー度外視美味追求のタルティーヌがあなたを誘惑する。フジカフェ〈23〉はハワイの風。モーニングもあり。うなぎの宮川〈24〉は出前でもお世話になる。

駒場キャンパスは北側が穴場。野球場土手の桜の見事さは言うに及ばす、散策ついでに野球場門(北門)を出て駒裏に出れば、そこはコマメシのフロンティア。フレッシュネス・バーガー〈25〉は同チェーンの一号店、駒下のマクドナルドとは対照的、ファストでないハンバーガーを味わいたい向きに好評。少し東海大学の方に入ったところのビストロ、シャンブル・アヴェク・ヴュ〈26〉は、ルヴェソンヴェールより心もち高め、そのぶん落ち着いた雰囲気で食事を楽しめる。さらにまっすぐ進むと右手に大茂里〈27〉、中華と洋食を昭和の味と雰囲気で(昭和度は井上より上か)。

駒場側に少し戻って角を東に曲がれば、粋(SUI)〈28〉でハヤシライスやキーマカレー、さらに郵便局を過ぎて(ついでに振り込みもすませて)、むぎ〈29〉で魚定食という手もある。どちらも夜の店が昼にもきちんと仕事をしているという風で、お値打ち感が高い。ここまで来ればキャンパスの裏門(体育館横)も近く、昼夜ともに使い勝手のよい蕎麦の絆〈30〉、駒場生定番のラーメン山手〈31〉も指呼の間。裏門横には絵本カフェ三叉路〈32〉。

以上、担当かわって三回目のコマメシを多少の改訂を加えてお伝えしたところで、ささやかなエスケープのすすめ。西門を出て少し歩いた駒場公園にある日本近代文学館内のカフェBUNDAN〈33〉は、本好きなら居心地抜群、もう授業には戻れないかも。裏門から坂を下ってNHKスタジオパークまで足を延ばせば(意外に近い)、スタジオカフェ〈34〉でまめぶ汁が食べられる(いつまであるかは不明)

こうしてひとめぐりするだけでも、多種多様な食の世界。書き漏らしたお店も多く、探索の楽しみはまだ尽きない。バックナンバーもぜひ参考にしていただきたい。よきコマメシを。

(超域文化科学専攻/国文・漢文学)
 

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