HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報617号(2020年4月 1日)

教養学部報

第617号 外部公開

辞典案内 2020 国語辞典

矢田 勉

辞書には個性がある。市販されている国語辞書に、全く役に立たないようなものはない代わりに、絶対的というものもなく、それぞれの辞書には強みもあれば弱点もあるので、複数のものを座右に備えて引き比べたうえで、自分なりに情報を吟味して使用することが必要である。
個人で持つ小型・中型の辞書とは別に、大学生としては是非とも使いこなしたいのが、現在最大の国語辞書、『日本国語大辞典(第二版)』(小学館、全13巻+別巻1、揃210000円)である。駒場図書館はもちろん、多くの図書館・室に備えてあるし、オンライン版が、学内ネットワークに接続しているPCから利用できる(GACoS→定番データベース/JapanKnowledge Lib→基本検索。情報基盤センター教育用計算機システム(ECCS)のアカウントで、学外からの利用も可能)。また、3巻に縮約した「精選版」(揃45000円)もあり、こちらには電子辞書版やiOS用アプリ版(8000円)などもある。
日本古典を読もうとすれば、古語辞典が必要となる。大学での学びでは、高校生向けの学習古語辞典ではやはり十分でない。『日本国語大辞典』は古語辞典の役割も兼ねている。定評のある古語専門の辞典には、中型では『小学館古語大辞典』、大型では『角川古語大辞典』(全5巻)があるが、現在どちらも新刊では入手できない。特定の時代の語彙を対象としたものには、『時代別国語大辞典 上代編』(三省堂、40000円)、『時代別国語大辞典 室町時代編』(三省堂、全5巻、揃213000円)がある。『古語大鑑』(東京大学出版会、第1巻38000円、第2巻42000円)は、全4巻のうちまだ2巻までが刊行されたところであるが、漢語や漢文訓読語なども充実した、特色ある古語辞典である。

(言語情報科学/国文・漢文学)

※辞書の価格について、特に注意書きのないものは税抜きとなります。

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