HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報624号(2021年1月 5日)

教養学部報

第624号 外部公開

梶山弘志経済産業大臣が次世代太陽電池の研究を視察

松本真由美

 菅義偉首相は十月二十六日、国会での所信表明演説で二〇五〇年までに温室効果ガス排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標を表明した。演説では「温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です」と述べているが、これは、教養学部報十二月号に掲載された小林光客員教授(元環境事務次官)の記事にもある通りである。時代は既に大きく動き始めている。また、演説の中で「鍵となるのは、次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした、革新的なイノベーションです。実用化を見据えた研究開発を加速度的に促進します」とも述べている。このような研究に取り組む研究者への期待も高まっている。広域科学専攻広域システム科学系の瀬川浩司教授の研究室では、有機金属ハライドペロブスカイト太陽電池などの次世代太陽電池の研究を産学連携で進めているが、所信表明演説に先立つ九月二十四日、梶山弘志経済産業大臣ほか経済産業省と資源エネルギー庁の幹部が瀬川研究室を視察された。視察では、開発中の各種太陽電池や共同研究企業が開発した次世代太陽電池とその関連アプリケーションをご覧いただいた。その後、ペロブスカイト太陽電池を研究しているドライルームに移動し、作成プロセスの実演を細部に至るまで丁寧にご見学いただいた。その後の意見交換︵筆者も同席︶では、グリーンテクノロジーとしての次世代太陽電池の研究開発は重要であり、瀬川研究室で今年度から開始したNEDO「太陽光発電主力電源化推進技術開発」等の取組みが紹介された。

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蓄電機能内蔵太陽電池の説明を受ける梶山弘志経済産業大臣

(教養教育高度化機構)

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