教養学部報
第626号 
辞典案内 2021 イタリア語
山﨑 彩
【伊和辞典】
①『伊和中辞典』（池田廉ほか編、小学館、第二版1999年）。アプリや電子辞書もある。どの媒体で使うにせよ、コンテンツがこれであれば間違いない。初修外国語としてイタリア語を選択した人はまずこの辞書を入手してほしい（ちなみに、伊和/和伊の場合、インターネット上の無料辞書や翻訳アプリは現状あまり精度が高くない）。見出し語7万5000。②『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』（池田廉ほか編、小学館、2001年、1015頁）先の伊和中辞典を簡便にしたもの。イタリア旅行に行くだけの人はこちらを。携帯に便利。総見出し語6万5000。
【和伊辞典】
③『和伊中辞典』（西川一郎編、小学館、第二版2008年）約5万3000語。基本語の用法等解説付きの学習辞典。④『和伊辞典』（坂本鉄男編、白水社、2005年、1217頁）巻末の固有名詞や名作タイトルのイタリア語一覧が便利。見出し語は3万3000。
【伊伊辞典等】
紙の辞書なら、⑤Zanichelli社のLo Zingarelliや⑥Garzanti社の中辞典が便利（①は⑥の翻訳）。⑤は駒場図書館に配架されているのでぜひ使ってみてほしい。購入したい場合は、文流（tel. 03-3508-5445）、イタリア書房（03-3262-1656）、南欧図書（03-3813-3744）等に直接問い合わせを。
ネット上の辞典なら、一番のおすすめは、百科事典を出しているTreccaniのサイト（http://www.treccani.it）。⑦Vocabolario della lingua italiana（1986-1994、全5巻、見出し語18万5000）ほか、百科事典（Enciclopedia ltaliana）、ダンテ事典（Enciclopedia dantesca, 1970）から一括検索できる。
中世文学など古い時代のテクストを読むときには、⑧Grande dizionario della lingua italiana（S. Battaglia編、UTET、1961-2002、全21巻）を使うと良い。「靴の箱にカード」の時代ナポリの碩学により着手され、2002年ついにZ（ゼータ）に到達した記念碑的大辞典だが、なんとこれも全巻全ページがネット上に公開されている（http://www.gdli.it/）。
現代語ならば、⑨Grande dizionario italiano dell'uso（T.de Mauro.編、UTET, 1999-2000、全6巻）。この縮小版Il dizionario De Mauro(2000)はネットで検索できる。熟語を調べるのに便利だ（https://dizionario.internazionale.it/）。
地名や人名などの正しい発音を知りたいときには⑩Dizionario italiano d'ortografia e di pronunzia（略称DOP, B. Miglioriniほか編、ERI、2010）を。これもネットで検索可能。
⑤〜⑩は紙の辞書が駒場にあるので、OPACを調べてみてください。
（言語情報科学／フランス語・イタリア語）
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