HOME総合情報概要・基本データ刊行物教養学部報653号(2024年4月 1日)

教養学部報

第653号 外部公開

辞典案内 2024 台湾語

蔡承維

一 日台辞典
『日台大辞典』小川尚義編集、台湾総督府民政部、1907年、1184頁:明治期の出版物で表現が古いが、戦後日台辞典は出版されていないため今も有用である。合計4万2000余りの日本語とその台湾語訳を収録、主に廈門音による。台湾総督府が五十音仮名を元に、新しく符号仮名、符号を加えた発音符号を使用している。国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。https://dl.ndl.go.jp/pid/869489

二 台日辞典
1『台日大辞典』(上巻〔877頁〕、下巻〔1043頁〕)小川尚義編集、台湾総督府、1931-32年:収録語数が最も多く、解説と用例も優れているため、使い方さえマスターできれば非常に有用である。合計9万語余りを収録、主に廈門音を標準として、泉州音、漳州音なども採録している。発音符号は、『日台大辞典』と同様で、語辞の配列は五十音順である。
国立国会図書館デジタルコレクションでも公開されている。
(上巻)https://dl.ndl.go.jp/pid/1218326(下巻)https://dl.ndl.go.jp/pid/1218365

2『東方台湾語辞典』村上嘉英編著、東方書店、2007年、499頁、6000円:語彙数は1万3500で、詳細な解説と適切な用例が豊富にある。日本語索引もあり、調べやすい辞書である。教会ローマ字のアルファベット順に並び、台北の偏泉州音で編纂されている。2024年1月現在品切れになっているようである。

三 台華辞典
1『教育部台湾閩南語常用詞辞典』(音声付きのオンライン辞書)
台湾の「教育部国語推行委員会」による編輯、2023年6月に新版公開:台湾語の漢字あるいは台湾ローマ字、台湾華語の漢字から検索できる。説明は台湾華語。付録に百家姓、俗諺、地名、駅名、方言差、二十四節気、外来詞(主に日本語由来)、親族関係、人体器官などの表現がある。https://sutian.moe.edu.tw/zh-hant/

2『TJ台語白話小詞典』張裕宏編著、亜細亜国際伝播社、2009年、588頁:教会ローマ字のアルファベット順で編纂され、解釈は台湾華語。北部の偏泉州音や中南部の偏漳州音を調べることができる。語彙数は1万9100で、新語のみならず、日本語、英語、台湾華語などからの外来語表現も多数収録されているのが特徴。

(中国語)

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