教養学部報
第662号
<施設・組織紹介> 論文・レポートの相談は駒場アカデミック・ライティング・センターへ
トンプソン美恵子
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/cawk/
論文・レポートを書くことなしに大学生活を送るのは不可能です。でも何から始めて、どう書いたらいいのでしょう。そんなときにぜひ訪れていただきたいのが、駒場アカデミック・ライティング・センターです。銀杏並木沿いの10号館一階にあります。
しゃれたデザインの明るくモダンな部屋に入ると、みなさんをサポートするチューターたちと専門職員、教員が笑顔で迎えてくれます。向かい合って座るベンチシートやグループでも支援を受けられる可動式の椅子とテーブル、モニターが備わっています。対面はもちろんのこと、オンラインでもさまざまな助言を受けられます。困った時でも、そうでない時でも、気軽に訪れてチューターと話すだけで、自分の考えや表現を洗練させることができます。 大学入学後に期待される学術的なレポートや論文は、高校生のときの読書感想文や小論文をちょっと発展させたものと思われがちですが、実のところ似て非なるものです。準備の仕方にノウハウがあるのはもちろん、構成や様式においても守るべきマナーがあり、また表現などについても厳密さを求められます。それを把握しておくことが必要です。
とはいえ学術的な議論をすぐに自力で実践できるわけではありません。いきなり論文・レポートを課題に出されても戸惑ってしまいます。日本語ならなんとかなると思いたいですが、実はそれほど簡単だったり、単純だったりするものではありません。英語を含めた外国語となるとさらにハードルが高くなります。実際、一年生の必修科目であるALESS/ALESAやFLOWの授業では、英語で論文を執筆したり、プレゼンテーションをしたりすることが求められ、多くの新入生にとって重要な関門になっています。初年次ゼミやそれ以外の授業でもレポートや論文の提出が求められ、書きあぐねてしまう場合も多いです。
そんなときにぜひ駒場アカデミック・ライティング・センターを利用してください。初歩的なことから論文の作法のような細かな技術的なことまで、大学院生のチューターたちが相談に乗ってくれます。「こんなことを書いてみたいのだけれど」といった漠然とした関心を話すだけで、そこからどのような問題・テーマ設定が可能か、議論を展開する際の問題点は何か、資料の集め方としてどのような方策があるのかなど、個別の助言を受けられます。先輩でもあるチューターたちは親身になって一緒に問題点を見きわめ、解決策を探してくれます。
「書く」という行為は「知」のあり方そのものです。批判的思考力はもちろん、語彙力・表現力、あるいは実験手法やデータ・資料(史料)分析を駆使して新たな「知」を構造化していく創造的プロセスにほかなりません。
センターでは、ALESS/ALESA/FLOW、初修外国語、前期課程の授業全般、留学生を主な対象とする日本語授業のレポート・発表を主にサポートしています。文系修士学生を主な対象にした大学院生の論文執筆サポートもしており、将来的には卒業論文支援への拡大も構想しています。その他、昼休みにはPEAKの学生と気軽に英会話を楽しめる「ランチタイムチャット」が開催されています。詳細はウェブサイトやX(旧Twitter)をご確認ください。論文執筆に関わる有益な情報もウェブサイトで提供しています。論文やレポートについて何か尋ねたいことがあれば、ぜひ一度訪れてみてください。解決のヒントが必ずあります。
(グ ローバルコミュニケーション研究センター/日本語・PEAK前期)
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