教養学部報
第675号 ![]()
オープンキャンパスから見える教養学部の魅力
三浦あゆみ
二〇二六年度のオープンキャンパスが八月三日(月)・四日(火)に英語名(UTokyo Online Open Days)のとおり全企画オンラインで開催された。なお「オープンキャンパス」は和製英語であり、open dayは主にイギリスで使われる(アメリカではopen house)。
そんな豆知識をはるかに凌駕する知と熱の交流が、二日間を通して教養学部のヴァーチャル会場で見られた。初日は後期課程三学科の教員と学生による恒例の進学相談・質問コーナーに加えて、新企画のALESS/ALESA/FLOW相談会「教養に必要なアカデミック・スキルズ」から構成された。いずれのパートでも、当該学科や科目の概要に関する教員の丁寧な説明以上に印象的だったのは、登壇学生たちの「生の声」だった。進学相談会では、学生生活や卒業後の進路、留学の機会、進学選択の理由、科類や学びたい内容とのマッチングなどの多様な質問に対して、登壇学生たちが時に率先して親身に回答していた。Q&Aは徐々に活気を増し、当日最多の参加人数があった教養学科の部では、テキスト形式だけでなく口頭での質問も飛び出した。思いがけず(?)教養学科に次ぐ集客を得た新企画では、ALESS経験者の学生が本プログラムの正の学習効果について聴衆に寄り添いながら語ってくれた。未来の東大生は不安が軽減されたことだろう。
二日目は四件の模擬講義が開講され、いずれも百名超が受講した(学際科学科・江守正多教授「気候変動と社会:気候変動問題をどう見るか」、統合自然科学科・香田啓貴准教授「ヒトを人たらしめる要因とは何か?─言語や文化を生み出す霊長類進化の道筋」、教養学科・浜田華練准教授「「地域」の中の「言語」、「地域」を超える「言語」─コーカサスの言語と写本文化」(※学会出張先のルーマニアと中継)、教養学科・受田宏之教授「ラテンアメリカはなぜうまくいかないのか、ラテンアメリカになぜひかれるのか。制度と自由の相克について考える」)。画面から溢れる講師の熱意と教養学部で学べる分野の面白さに刺激を受けた聴衆から相次いで寄せられた秀逸な質問に対して、各講師は予定時間を延長して言葉を尽くして回答された。
以上のライブ配信企画のほかに、オンデマンド配信動画として教養学部長挨拶、数理科学研究科長挨拶、後期課程三学科紹介、初年次ゼミナール授業紹介、ALESS/ALESA/FLOWプログラムイントロダクション、駒場Ⅰキャンパスツアーが教養学部オープンキャンパス特設サイトで公開された(https://www.open-campus.c.u-tokyo.ac.jp/)。各動画は本学部のYouTube(@utokyo_komaba)にも載っており、新規撮影分はプレイリストになっている。
筆者は企画段階から当日の運営までオープンキャンパスを片隅で見守ったことで、進学相談・質問コーナーで話題になった「教養学部の魅力」は、その豊かな人的資源にあることを再認識した。各企画に快く協力してくれた学生の皆さん、多忙のなか無償の奉仕を捧げられた先生方、常に堅実かつ献身的な舵取りをされた超少数精鋭の広報・情報企画チームに深謝するとともに、多くの学生が本学部に進学することを願ってやまない。
なお本学部は毎年固定しているライブ配信企画内容の見直しを検討している。後日開催された全学の反省会では、国内外の遠隔地からの参加を促すためにオンライン開催継続の意向が伝えられたうえで、オンラインの利点を活かしつつ、東大の魅力は何かという観点から企画を考えることを推奨された。駒場独自の魅力がよりよく伝わる新企画を期待したい。
(前研究科長補佐/言語情報科学/英語)
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