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2022.09.05
【受賞】広域科学専攻の磯﨑行雄 名誉教授がIsland Arc Award を受賞
日本列島の発達史解明の上で、その起源に密接に関係したGreater South China (GSC) 地塊の理解が重要です。GSCはIsozaki et al. (2014)によって最初に提唱されましたが、その詳細については未解明でした。しかし最近の研究で、花崗岩や砂岩中の鉱物ジルコンについてウラン-鉛年代が多数報告されるようになり、日本の成長核となった大陸縁の様子が次第に明らかになって来ました。
Wiley社発行の国際学術誌Island Arc に掲載されたIsozaki (2019) 論文は、日本、さらに東アジアからの最新データを総括し、日本の誕生過程および初期成長史を復元しました。特に、従来の考えと大きく異なる点として、日本の成長核となったアジア大陸内の南中国地塊は、現在の中国の南半部のみから構成されると長く理解されていましたが、実際にはさらに東シナ海、古日本、そしてロシア沿海州を含む約２倍サイズの長大なGSC地塊であったことをこの論文が初めて具体的に明示しました。
この新しい包括的まとめは、日本列島の歴史のみならず、ユーラシア大陸東部の形成史についての従来の理解を大きく改めたことから、公表後、頻繁に引用されています。この顕著な功績が評価され、この度のIsland Arc Award受賞となりました。
賞のウェブサイトURL：https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/iar.12451?af=R
【関連URL】
磯﨑名誉教授研究室HP：https://tobita7.wixsite.com/isozakilabo/home
東京大学大学院総合文化研究科 宇宙地球部会：https://ea.c.u-tokyo.ac.jp
