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2025.05.08
【イベント】第1回GSIセミナー「〈はじまり〉のサイード、あるいは、〈理論〉と〈政治〉の「時差」について」講演:三原芳秋(開催日:2025/5/23)
対象者 | 社会人・一般・在学生・教職員 |
開催日時 |
2025/5/23(金)15:00~16:30(開場時間 14:45~) |
会場 |
対面:東京大学 駒場Ⅰキャンパス18号館4階 コラボレーションルーム2 https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html オンライン:Zoomウェビナー |
定員 |
対面:20名程度 |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
要事前申込み |
申込受付期間 |
2025/5/8(木)~2025/5/23(金) |
共催 |
グローバル地域研究機構(IAGS) |
お問合せ先 |
グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ(GSI)事務局 |
第1回GSIセミナー
三原芳秋「〈はじまり〉のサイード、あるいは、〈理論〉と〈政治〉の「時差」について」
【司会者】
吉国浩哉(総合文化研究科言語情報科学専攻)
【コメンテーター】
國分功一郎(総合文化研究科超域文化科学専攻)
オオツキ グラント ジュン(総合文化研究科超域文化科学専攻)
【要旨】
「サイードは1967年、第三次中東戦争の衝撃で政治化した」というクリシェは、(サイード本人もふくめ)多くの論者によって幾度もくりかえされてきた。しかしこれは、二重の意味でミスリーディングではないだろうか。まずもって、英国委任統治下のエルサレムにキリスト教徒のパレスティナ人として出生したその時点でサイードは「政治的」であらざるをえなかったわけで、それがナクバ・ナクサを通して極端なまでに重度をましていったとはいえ、「政治化」は1967年に唐突に起こったわけではない。他方、より具体的な側面について言うと、サイードが「サイード」となった『オリエンタリズム』(1978)の出版まで10年以上の間隔があり、その間に出版された『〈はじまり〉― 意図と方法』(1975)はきわめて「(文学)理論的」な著作(大文字のTheory、日本風に言えば「現代思想」)であって、そこにはあきらかに「時差」が認められるということがある。本発表では、サイードにおけるこの〈理論〉と〈政治〉の「時差」をめぐって、アーカイヴ調査で得た膨大な資料をもとに、とくにコロンビア大学から離れていた二度の研究年(イリノイ大学高等研究センター〔1967-68〕およびベイルート〔1973-73〕滞在)におけるサイードの研究活動に焦点をあてることによって、この怪物的な書物(『〈はじまり〉』)に結実する「〈はじまり〉のサイード」の思想的変遷における「跳躍」、ならびにその「政治化」の実相を浮き彫りにしたいと考えている。
【参考文献】
◇ Said, Edward W. Beginnings: Intention and Method. New York: Columbia UP, 1975 [1985].(山形和美・小林昌夫訳『始まりの現象 意図と方法』、法政大学出版局)
◇『思想』(2023年12月号)特集「エドワード・サイード 没後20年」
関連リンク
東京大学グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ (GSI) イベントページ
https://www.gsi.c.u-tokyo.ac.jp/event/6284/