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トピックス 2015.05.11

【受賞】広域科学専攻生命環境科学系の池内昌彦教授が平成27年度日本植物学会学術賞を受賞しました

本研究科広域科学専攻生命環境科学系の池内昌彦教授が下記業績により、平成27年度日本植物学会学術賞を受賞しました。

業績「シアノバクテリアの新規光受容体の発見と光合成関連機能の調節」
光合成は植物やシアノバクテリアの物質生産を駆動するとともに地球に酸素を供給しています。光エネルギーは光合成反応の駆動に必要ですが、過剰な光は生物に有害です。生物はそのような光環境を感知するため、光受容体をもっていますが、そのしくみや役割の多くが不明でした。

池内昌彦教授は、シアノバクテリアの光受容体に注目し、一群の新しい光受容体を発見し、「シアノバクテリオクロム」と命名しました。これらは新規の発色団を結合し、赤色光から近紫外光までの幅広い波長域で可逆的な光変換を起こすこと、結晶構造や多様な発色の化学機構を解明しました。さらに、これらの光受容体が光合成の最適化にかかわる光捕集装置の発現誘導や細胞の走光性、光阻害を避ける細胞凝集など重要な機能調節にかかわっていることを実証しました。

本研究の成果は、光受容体の新分野を開拓するとともに、光合成生物の新たな環境適応機構を明らかにしたことで高く評価されました。現在、光受容体のさらなる多様性の解明と光合成生産や生物素子への応用研究も進めており、研究分野がさらに拡がっていくことが期待されます。

なお、「学術賞」は植物学においてプライオリティーと独創性の高い研究を行い,論文等が国際的に高く評価された研究者に与えられる学会賞です。

関連URL: http://bsj.or.jp/jpn/members/information/2712.php

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