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新任教員紹介

橋本 摂子(ハシモト セツコ)

所属 専攻国際社会科学専攻
学科教養学科
部会社会思想史
職名 教授
発令年月日 2025年7月16日

 

略歴 ■最終学歴
東京工業大学大学院・社会理工学研究科博士課程中退
■学位
2007年3月 Ph.D
■前任職
東京大学大学院総合文化研究科 准教授

 

担当科目 ■前期課程
社会Ⅰ
■後期課程
社会学研究
■大学院
相関社会科学演習Ⅰ,公共政策論実験実習Ⅲ

 

研究活動 ■研究分野
社会学
■研究業績
  1. 橋本摂子,2014,「不正を理解すること──原発事故と『復興』をめぐる一考察」『現代社会学理論研究』8号,14-25頁.
  2. Hashimoto, Setsuko, 2013, “Fukushima Nuclear Accident and Its Aftermath: A survey of Futaba District,” 『理論と方法』vol.28, No.2: 223-245.
  3. 橋本摂子,2009,「未婚者層における結婚意識の変動と社会階層的要因:パネル・ロジットモデルによるアスピレーション分析」(東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズ No.29)
  4. 橋本摂子,2009,「アーレント政治論における公/私-境界の生成:言説領域のオートポイエーシスをめぐって」『社会学評論』60巻1号,141−57頁.
  5. 橋本摂子,2008,「性別役割意識の揺らぎをたどる(1)―結婚アスピレーションから見た行動規範と現状追認の距離―」(東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズ No.16)
  6. 橋本摂子,2006,「第4章 空白の正義――他者をめぐる政治と倫理の不/可能性について」佐藤俊樹・友枝敏雄(編)『社会学のアクチュアリティ5 言説分析の可能性』東信堂,123-44頁.
  7. 橋本摂子,2006,「公共性とコミュニケーション──アーレントとハバーマスにおける言論の政治」『年報社会学論集』19号,1−12頁.
  8. 橋本摂子,2005,「道徳認識から政治的判断へ──アーレント政治理論における『真理』をめぐって」『現代社会理論研究』15号,220−31頁.
  9. 橋本摂子,2003,「〈社会的地位〉のポリティクス──階層研究における"gender inequality"の射程」『社会学評論』54巻1号,49−63頁.

 

採用理由 橋本摂子氏は、東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻博士課程に進み、2007年3月に博士号を取得。2007年4月から同専攻で助教を務め、福島大学行政政策学類准教授として勤務。その後、2017年4月に駒場に着任された。
橋本氏の研究の柱は2つある。1つは、アーレント研究である。主著『アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である』で橋本氏は、アーレントのテキストの体系的読解・解釈を通じて、アーレントの思想が経験的事実を扱うルーマンらの社会学的知見と結びつくとする興味深い議論を展開した。もう1つの柱は、福島での東日本大震災関連の社会調査に基づく実証研究である。橋本氏は、福島県双葉地区の住民を対象とした災害復興にかんする実地調査にかかわり、その貴重な調査結果である「双葉調査2011」のデジタル・アーカイブ化事業に携わってきた。このことからもわかるように、橋本氏の研究は、思想研究と実証研究を横断する学際性・領域横断性を兼ね備えており、現代世界の抱える問題と深く関係する実践性も兼ね備えている。
教育面については、前期課程の「社会I」をはじめ、社会調査実習の授業を含め様々な授業を担当してきた教歴がある。
行政面については、ヒト倫理委員会をはじめ、国際社会科学専攻予算委員、そして国際人材養成プログラムの運営委員として、本学の英語プログラムに貢献をされた。また、現在は専攻内の事務体制見直しを担当するWGの主たるメンバーとして、専攻内の事務体制の構築に貢献している。このように橋本氏は、本学および専攻の運営に欠かせない重職を務めている。
橋本氏の人柄は真面目で誠実で、責任感も強く、これまで接した教員や友人からも厚い信頼を得ている。
以上から、橋本氏は教授昇任にふさわしい方であるといえる。

 

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