新任教員紹介
前田 亮介(マエダ リョウスケ)
所属 | 専攻国際社会科学専攻 |
---|---|
学科教養学科 | |
部会国際関係 | |
職名 | 准教授 |
発令年月日 | 2024年10月 1日 |
略歴 | ■最終学歴 東京大学大学院・人文社会系研究科 |
---|---|
■学位 2013年4月 博士(文学) |
|
■前任職 北海道大学大学院法学研究科 准教授 |
担当科目 | ■前期課程 国際関係史 |
---|---|
■後期課程 国際関係史Ⅰ |
|
■大学院 国際関係史Ⅱ |
研究活動 | ■研究分野 日本政治外交史 |
---|---|
■研究業績 1.前田亮介(単著)『全国政治の始動』(東京大学出版会、2016) 2.前田亮介(編著)『戦後日本の学知と想像力』(吉田書店、2022) 3.前田亮介「戦後復興期の中央銀行拡大構想——一万田尚登における金融と政治 1946-1956 」(『年報政治学』75-1、2024) 4.前田亮介「「左派外交史学」の曙光——1930年代日本のマルクス主義史家たち 」(歴史学研究会編・加藤陽子責任編集『「戦前歴史学」のアリーナ——歴史家たちの1930年代』(東京大学出版会、2023) 5.前田亮介「「自治体外交」の時代(1)~(3)——横路道政期の訪韓・訪ソ(1983-1991)」(『北海道史への扉』2、3、5、2021・2022・2024) 6.前田亮介「「史学統一」の夢——戦前(1923-1945)の大久保利謙」(『史苑』82-1、2022) 7.前田亮介「「制度」と「友敵」——坂野潤治『明治憲法体制の確立』の歴史叙述」(『日本史研究』708、2021) 8.前田亮介「「世界政府論」と「中立論」のあいだ——戦後国際法学のなかの日本政治外交史」(日本評論社法律編集部編『法学者・法律家たちの八月十五日』(日本評論社、2021) 9.前田亮介「植民地銀行のインスティテューショナル・メモリー——朝鮮銀行の戦前と戦後」(御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか —— 作り方から使い方まで』岩波書店、2019) 10.前田亮介「解説 戦後政治史学の誕生」(岡義武著『明治政治史』上、岩波文庫、2019) |
|
― | |
― | |
― |
採用理由 | 前田亮介先生はこれまでサントリー学芸賞を受賞した単著『全国政治の始動−帝国議会開設後の明治国家』(東京大学出版会、2016年)のほか、多くの編著書、論文、書評、史料翻刻や史料解説を公刊してきた。国内外でも数多くの学会発表を行い、多くの競争的資金も取得してきている。これらの業績は、前田先生がすでに日本を代表する日本政治外交史研究者であることを示していると考えられる。 前田先生のご研究は、日本国内の全国レベルでの利害調整システムの形成過程を財政面から検討するところから始まり、朝鮮銀行の研究を通じた「帝国金融秩序」へと展開、さらには日本の「帝国金融秩序」が大英帝国といかに向き合ったのかを考察してきている。このほか、日本における学説史、とりわけ戦前の左派外交史学の展開や系譜に取り組んできた。この研究の軌跡は、まさに国内政治に基礎を置いた帝国史研究、そして外交史研究への展開を示すものであり、また学説史への理解もまさにその過程で析出されたものだと理解できる。この研究の軌跡は駒場の国際関係史研究の系譜にも重なるとともに、それが駒場の多様な大学院生に対して指導する上での座標軸になるものだと思われる。なお、前田先生が英米などで研究を積んだことは、「開かれた」新しい日本政治外交史研究の姿を示しており、駒場に赴任後にさらに展開していくだろう。 教育面でも、前田先生はすでに前任校で多くの学生を指導し、その講義やゼミでも英語文献を多く扱う授業を実施するなど、その丁寧な指導や意欲的な授業に対する評価も高いと聞いている。また、同輩、同僚からの信頼も厚く、温厚で誠実な人柄で、前任校の学内行政でも重責を担っているという。駒場においても行政などの面で活躍されることが期待される。 |
---|